突然余命一年を宣告された平凡な高校教師「僕の生きる道」あらすじと結末




概要

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『僕の生きる道』(ぼくのいきるみち)は、2003年1月7日から3月18日まで火曜日 22:00 – 22:54(JST)にフジテレビ系列で放送されていたテレビドラマ。関西テレビと共同テレビの共同制作。

あらすじ

私立進学高校「陽輪学園」の男性教員である中村秀雄はある日健康診断で再検査となり、スキルス性胃癌で余命1年と宣告される。

最初は自暴自棄になり、自殺未遂まで起こす中村だった。しかし、金田医師との触れ合いから、残りの人生を精一杯生きようと決意する。そんな中村の変化につれ、1度は中村の告白を受け入れなかった同僚のみどりも次第に彼に惹かれていき、やがて恋人同士となる。幸せな日々もつかの間、彼の病と余命を知ったみどり。中村は別れを切り出すが、彼女の献身的な姿勢や金田との対話から、残された人生を彼女と過ごすために結婚を決意する。学園理事長であるみどりの父を説得できぬまま、幼少時代に通った教会で2人だけの結婚式を挙げていると、そこにはみどりの父が……。

そして、中村は自分の夢であった合唱を、受験勉強で汲々とした生徒に提案する。歌手志望の杉田以外、ほとんど無関心を装っていた生徒たちも、次第に心を開き始め、コンクールに向けて練習を重ね、地区決勝まで勝ち進む。しかし、病院を抜け出し、みどりに付き添われながら、決勝の客席に臨んだ彼の余命はもういくばくもなく……。

ラスト

大学入試のシーズンがきた。3年G組の生徒たちはこれまで勉強と合唱を両立させて頑張ってきた。金田医師(小日向文世)からは当初、余命1年の宣告を受けていたが、すでに1年以上がすぎていた。しかし病状は確実に進行していた。痛みは薬でなんとか抑えていたが、食欲はほとんどない。金田からは入院を勧められたが、秀雄はできるだけ普通の生活を続ける道を選んだ。
合唱コンクールまで1カ月。秀雄は新しい指揮棒を買った。
合格発表が始まった。職員室には次々と吉報が届いた。りな(浅見れいな)も雅人(市原隼人)も萌(鈴木葉月)も愛華(岩崎杏里)も守(藤間宇宙)も栞(上野なつひ)も全員、見事合格した。残るは均(内 博貴)だけ。しかし均は不合格だった。すべり止めを受験していないから来年再挑戦するしかない。実力がありながら均は本番だと緊張して発揮できないのだ。明後日は合唱コンクールの本番だ。「緊張せずに練習どおり歌えるよう、挑戦してみましょう」「はい」ようやく均が笑顔をのぞかせた。
合唱コンクール当日がきた。控室で3年G組の生徒たちは緊張していた。とりわけ均はウロウロして落ちつかない。来週の決勝に進めるのは5校だけ。「僕たちの出番です。しっかり歌いましょう」。客席には秋本理事長(大杉漣)をはじめ、同僚教師たちが応援に駆けつけてくれた。秀雄は静かに指揮棒を振りはじめた。みどりがピアノで『この道』の前奏を弾きだした。
生徒たちは熱唱した。均だけは緊張のあまり、途中で一瞬口の動きが止まったが、無事に歌い終わった。大きな拍手が起きた。秀雄は客席に向き直ると頭を下げた。
その瞬間、秀雄は床に崩れ落ちた。秀雄はそのまま病院の処置室に運ばれた。
コンクール会場では控え室では生徒達が秀雄の容態を心配していると予選通過のアナウンスがありみんなで喜んでいた
秀雄は必死の蘇生処置のおかげで一命を取り止めたが退院できることはないと告げられる。
均は秀雄から託されたタクトを使って指揮の練習をすることになった。しかしまだ初めてなので動きがぎこちなかった。
そして合唱コンクールの決勝戦当日を迎え生徒達はステージ上に上がった。均は緊張のあまり頭の中が真っ白になって棒立ちになっていた。そこへ秀雄とみどりが会場内に入ってきた。均を見て秀雄は頷いた。均は秀雄の顔を見て落ち着きを取り戻してタクトを振って指揮を始めた。
合唱コンクールの順位発表が終わり3位の成績であった。
ホールの観客はすでに帰ってしまっていて、観客席にいるのは秀雄とみどりだけだった。
みどりがステージの方を見ると生徒達がステージに上がって中央に並び始めた。
均の合図で、生徒達は『仰げば尊し』を歌い始めた。
みどりはそっと秀雄の手を握った。
秀雄は生徒達の歌を聞いている途中に目がぼやけてきて意識が薄れ始めた。その薄れ行く意識の中で今までの出来事が走馬灯のように思い出されていた。
みどりが秀雄の方を向くと秀雄は静かに息を引き取っていた。
みどりは何も言わずに秀雄の手をしっかりと握って頭を寄せ合った。
秀雄は大好きなみどりのそばで永遠の眠りについた。

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そして秀雄が亡くなってから5年の月日が流れた・・・
教頭は新しく赴任してきた生物の先生に紹介した。その先生は均だった
教頭は均を席に案内した。その席は秀雄が使っていた机だった。

教師になって初めての授業をするために均は教室に入り挨拶をした後、授業を始めようとしたが生徒達は生物の教科書を開かずに他の教科の勉強をしていた。
均は高校時代に同じように他の勉強していたことを思い出していた。
「机の上の物をしまってください。」
均が注意したが、生徒達は無視をして勉強を続けた。
「しまいなさい!」
均は叫んだ。それを聞いた生徒達はようやく手を止めた。
「昔、この学校に中村秀雄という先生がいました。今日は中村先生が話してくれた読まなかった本の話をしたいと思います。それは・・・」
均は昔に秀雄から聞いた読まなかった本の話をし始めた。みどりは教室の外から均の様子を見た後、職員室の方へと歩いていった。
みどりは放課後、秀雄がプロポーズした思い出の木がある場所にきていた。
みどりは秀雄に今日あった出来事を報告に来ていた。
「秀雄さん。私はとても元気です。」
みどりは秀雄に報告した後、その場を立ち去ろうとした。すると秀雄の幻がその木のそばに現れた。秀雄は約束通りみどりに会いに来ていた。しかしみどりは気付くことなくその場から立ち去った。
秀雄は帰っていくみどりの後姿をすっと見守っていた。

秀雄のナレーション
「僕は生きた。君がいてくれたかけがえのない人生を・・・世界にひとつだけの僕の人生を。」