まだ、始まっちゃいねえ 「キッズ・リターン」 結末




 

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解説

高校生悪ガキコンビの挑戦と挫折を描いた青春映画。監督・脚本は「みんな~やってるか!」の北野武。撮影をやはり「みんな~やってるか!」の柳島克己が担当している。音楽監督は今作で映画音楽に復帰した「ソナチネ」の久石譲。主演は、本作でデビューし、キネマ旬報新人男優賞をはじめ各映画賞で新人賞を総ナメにした安藤政信と、「ファザーファッカー」の金子賢。この若手ふたりを「迅雷 組長の身代金」の石橋凌、「ありがとう(1996)」の森本レオ、「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の下絛正巳らベテランが脇で支えている。カンヌ国際映画祭監督週間正式出品作品。96年度キネマ旬報ベストテン第2位、同・読者選出ベストテン第2位。

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あらすじ

高校時代の同級生だったシンジとマサルは、ある日、偶然再会し、バカなことばかりにエネルギーを費やしていた昔のことを想い返した。

落ちこぼれの烙印を押された、半端な不良の二人、マサル(金子賢)とシンジ(安藤政信)。

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ある夜、ヤクザに絡まれたシンジとマサルは、それを咎めた組長の迫力に素直に感動を覚える。

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そんなころ、以前にカツアゲした高校生が助っ人に呼んだボクサーにのされてしまったマサルは、自尊心をひどく傷つけられ、自分もボクシングを始めるのだった。

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酒もタバコもすっぱりやめたマサルは、毎日ジムに通って練習に励んだ。そんなマサルに連れられてジムを訪れたシンジも、なりゆきからジムに入門することになった。

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ところが、遊び半分の初めてのスパーリングで、マサルに鮮やかなカウンターを浴びせたシンジは、筋の良さをジムの会長に認められ、本格的にプロを目指すことになる。そしてその日から、マサルは姿を消してしまうのだった。

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結末

面白くないマサルはジムをやめ、あの時出会った組長のもと、ヤクザの世界に足を踏み入れてしまった。

マサルは学校にも来なくなり、シンジは気まずい思いを抱いたまま、互いに顔を合わせることもなくなって、それぞれの日々が過ぎていった。

高校を卒業したシンジは、いよいよプロボクサーとしてデビューし、着実にその才能を伸ばしていた。

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マサルは組のいざこざを利用して、今では子分をかかえてシマを任されるまでにのし上がっている。

ある日、マサルがシンジを訪ねてジムにやってきた。ふたりは、お互いにそれぞれの世界でトップに立った時にまた会おうと約束する。

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しかし、敵対する組のヒットマンに組長を撃たれたマサルは、組同士の利害を考えて事を荒立てようとしない親分に楯突いて、厳しい制裁を受けた。

シンジは先輩ボクサーのハヤシに悪習を吹き込まれて体調を乱し、大事な試合に惨敗する。

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ともに苦い挫折を迎えたふたりは、それぞれの世界から身を引くのだった。シンジとマサルは久しぶりに高校を訪れ、自転車にふたり乗りしながらグランドを走っていた。

俺たちもう終わっちゃったのかなあ」と尋ねるシンジに、マサルは「バカヤロウ、まだ、始まっちゃいねえよ」と答える。

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