神に裁かれるのは人間か?ウィルスか?「感染列島」 あらすじと結末




解説

人類が体験したことがない新型ウイルスが原因で起こる、感染拡大の恐怖と闘う人々の姿を描く、泣けるパニック・エンターテインメント。『泪壺』の瀬々敬久が脚本と監督を手掛け、新型ウイルスの爆発的な伝播が現実の社会や人々に、どのような影響を与えるかをリアルなアプローチで問う。救命救急医役の妻夫木聡をはじめ、檀れいら実力派キャストが集結。ウイルスと人類の戦いという絵空事ではないテーマに、正面から挑んだシミュレーション・ムービーとしても注目。
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あらすじ

市立病院で救命救急医として勤務する松岡剛(妻夫木聡)のもとに運び込まれた急患。その患者の症状は新型インフルエンザのものだったが、何かが違っていた。あらゆるワクチンが効かず、やがて患者は死亡した。

これは、新たな感染症ではないのか?
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剛の不安は的中し、同僚の医師である安藤(佐藤浩市)をはじめ、医療スタッフや他の患者たちにまで院内感染は蔓延し、病院内はパニック状態に陥る。奇跡的に回復したのは、第一感染者の妻である真鍋麻美(池脇千鶴)だけだった。
パンデミックと名づけられたこの謎の感染症蔓延の事態を重く見た世界保健機関は、メディカルオフィサーとして小林栄子(檀れい)を派遣する。彼女は、かつての剛の恋人でもあった。
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栄子は病棟全体を隔離し、新規患者の受け入れを拒否して、患者の症状によって治療の優先順位を決めていくことを要請する。ウイルスの蔓延は驚異的なスピードで加速していった。患者の数は全国で数千万人を超え、日に日に増加していく死亡者たち。献身的に働いていた看護婦の三田多佳子(国仲涼子)も、夫の英輔(田中裕二)と幼い娘を残して息を引きとった。
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日本は崩壊寸前にあった。交通機関は凍結され、都市機能も停止した。
感染源を特定するため奔走する剛は、ウイルス研究者である鈴木浩介(カンニング竹山)に法を破って検体を提供する。その甲斐あって、鈴木は抗体ワクチンの抽出に成功した。
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一方、鳥インフルエンザウイルスの権威である仁志稔(藤竜也)と剛は、南の島を訪れる。感染源となったその島の人々はほとんど死に絶え、わずかな子供たちだけで生活していた。
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自身も末期ガンに冒されて、病とともに生きる道を選択した仁志は、その島に残って治療医となることを決意した。鈴木が開発した抗体ワクチンによって、パンデミックは鎮静した。しかし、同じような事態がまたいつ起こるかもしれない……。

結末

感染(新型インフルエンザ)の正体は分ったがワクチンが完成するまでに6ヶ月かかるため、その間、「現状と同じ状況」が続くことになる。そんな中、小林栄子が、感染してしまう。
新たな赴任先で倒れ、パソコンを通じて東京の松岡剛にで話しかける。

「以前に経験した別の事例のとき、快癒した感染者の血から作った血清で、8人中5人が治った。この方法に賭けてみたい」と。
ただ、この方法は、「因果関係等が証明されていないため、治療法としては認められていない」

これを試してみた松岡剛の所の患者は、危機的状況を脱す。
それを見た松岡剛は、その患者も現場も放り出し、長野の小林栄子の元へ走る。
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小林栄子は危篤状態であった・・・
松岡剛が心臓マッサージを買って出たところ、彼女は持ち直した。が、容態が急変し、彼女はなくなってしまう。
やりきれなくなった松岡剛は外へ飛び出し、その先で一本の木を目にする。
それを見て彼は思い出しました、壇れいと初めて出会った日のことを。その時彼女言った、

「“たとえ明日、地球が滅ぶとも、君はリンゴの木を植える。”私の大好きな言葉です」

小林栄子に語りかけるように、松岡剛は泣きながら言う。

「そうだよ、君は木を植えたんだ」

その後、ワクチンが完成し事態は収拾に向かう。
ラストは、妻夫木が新たな仕事先に選んだ北海道で彼が生き生きと働いている姿に、
「血清療法」で彼が助けた女子中学生の手紙(ナレーション)が重なる・・・