解説
ベストセラーを記録した、マックス・ブルックスの小説を実写化したパニック大作。
ハリウッドスターのブラッド・ピットが主人公にふんし、製作も兼任。監督は『007/慰めの報酬』などのマーク・フォースター。無数の感染者が群がって生じた巨大人柱が防壁を越えようとするなど、圧倒的映像の数々に息をのむ。
- 作者: マックスブルックス,Max Brooks,浜野アキオ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 文庫
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あらすじ
フィラデルフィアに住む元国連職員ジェリー・レインは、妻と長女レイチェルと次女コニーを学校に送るため自動車に乗っていたが、いつもとは様子の違う交通渋滞にはまってしまう。すると突如人々が車を放棄して逃げまどい始め、ただならぬ雰囲気を感じ取ったジェリーは同じように自動車を放棄し人々と共に逃れる。人間を狂暴化させる謎のウィルスが爆発的に全世界へと拡大。このままでは、世界は90日以内に滅亡する。全人類を絶滅へと導くウィルスの感染を防ぐため、元国連調査官のジェリー(ブラッド・ピット)は、愛する家族と離れ、世界を駆け回る。しかしすでに政府と軍隊は崩壊、感染の速度は加速し続けていた……。
結末
ジェリーらはイスラエルに到着し、ユルゲン・ヴァルムブルンから話を聞く。ヴァルムブルンはインドから収集した「ゾンビが人を襲う」という内容の暗号を得ており、彼はそれが暗号内暗号ではなく事実だと結論づけ壁を築いたと言う。ジェリーが到着した時、イスラエルは仇敵のパレスチナ人を含めた避難民を積極的に受け入れていたが、避難民が歌い始めたイスラムの祈りを大音量のスピーカーで流したため外部のゾンビを刺激してしまい、無数のゾンビが壁を登って来てしまった。壁の内部はパニックになるが、ジェリーはここで不可解な現象に気づく。ある少年がゾンビの群れの中にいるにも関わらず、ゾンビはまるで少年がいないかのように素通りしていた。ジェリーは彼とともにいた女性兵士のセガンと共にゾンビに制圧されたエルサレムを民間機で後にする。
ジェリーは先ほど見た現象からゾンビ対策になりうるかもしれないアイデアを推論し、ウイルスの研究所に向かうことを決断する。だが、運悪く機内にいたゾンビが別室の客室を襲い始め、ゾンビたちがジェリーらの客室へ攻撃してきたので彼は手榴弾を投げつけ反撃する。爆発によって機体に穴が開きゾンビたちは飛行機から次々に放出されるが、同時に飛行機も制御不能となり墜落する。
ジェリーとセガンは墜落現場からウイルスの研究所へ向かう。 墜落の際に破片が腹部を貫いており、研究所の門で気を失ったジェリーは、研究所の所員に拘束されて目覚める。ジェリーは国連事務次長のティエリーを通して身元を証明し、ゾンビの対策について推論を述べる。ゾンビ化ウイルスは自身を死滅させる可能性のある致命的な病原体を保持する者には感染したがらず、従ってある病人はゾンビに襲われないはずだと結論付けたジェリーは、研究所に保管されている危険性の低いウイルスに自ら感染することを提案する。だが、どのウイルスがゾンビを寄せ付けないかまではまだ分からないうえ、ウイルスが保管されている区画は既にゾンビ化した所員がうごめいているという。
ジェリーとセガン、研究所の所長はゾンビが徘徊する区画に侵入する。ジェリーはウイルスが保管されている場所にたどり着くが、そこで一体のゾンビに気づかれてしまう。このままでは脱出もままならないと判断したジェリーは監視カメラを通して家族への遺言を伝え、一か八か適当なウイルスを自分に注射し、保管所のドアを開放する。ゾンビは、ジェリーの存在を認識していないように振る舞った。ジェリーが考えた対策は有効であることが示された。かくして、ジェリーはゾンビの群れの中を悠然とやり過ごし、先に脱出していたセガンらに迎えられ帰還を果たした。
ジェリーらは、難民キャンプに避難していた家族の下へ帰還し、再開を果たす。ジェリーの対策は実行に移され、ウイルスを無毒化したワクチンにより人々がゾンビをやり過ごせるようになる。軍隊によるゾンビの群れへの反撃も始まる。「ワールド・ウォーZ」はこれから始まるとジェリーは独白する