この愛さえも、DNAで決まるのか。「プラチナデータ」 結末




 

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解説

人気作家・東野圭吾の同名ベストセラーを「ハゲタカ」「るろうに剣心」の大友啓史監督で映画化したSFサスペンス。全国民のDNAデータが管理され、DNA捜査が万能のシステムとなった近未来を舞台に、自ら作り上げたシステムによって追われる身となった天才科学者と現場叩き上げの刑事が繰り広げる緊迫の逃亡・追跡劇をスリリングに描く。主演は「GANTZ」の二宮和也と「20世紀少年」の豊川悦司。共演に鈴木保奈美、生瀬勝久、杏、水原希子。

 

 

プラチナデータ (幻冬舎文庫)

プラチナデータ (幻冬舎文庫)

 

 

 

あらすじ

それは明日かもしれない、近い将来の日本。国策として、極秘裏に収集した全国民のDNAデータ“プラチナデータ”を利用した高度なDNA捜査が導入され、検挙率100%、冤罪率0%の社会が完成していた。皮肉屋で自信家の天才科学者、神楽龍平(二宮和也)は、警察庁に新設された特殊捜査機関“特殊解析研究所”、通称“特解研”に所属する犯罪捜査の専門家。所長・志賀孝志(生瀬勝久)指揮の下で数々の難事件を解決してきた彼は、DNA 捜査が通用しない連続猟奇殺人事件“NF13(Not Found13)”を担当することになる。

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だが、同一犯人と思われる手口によって、DNA捜査システムを開発した天才数学者の蓼科早樹(水原希子)とその兄・耕作も殺されてしまう。遺伝子学教授の水上利江子(鈴木保奈美)が勤める新世紀大学病院から一歩も外に出なかった早樹。密室ともいえる状態で、犯行はどのように行われたのか?現場に残されていたわずかな皮膚片からDNA データの抽出に成功した神楽は分析を開始するが、適合率99.99%で容疑者として特定されたのは自分自身だった。

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一切身に覚えのない神楽は逃亡を決意。“追う者”だった神楽は、自ら手がけたDNA捜査によって“追われる者”となる。この事件の捜査担当となった警視庁捜査一課の浅間玲司(豊川悦司)は、現場叩き上げで豊富な経験を持つ敏腕刑事。DNA 捜査システムを掻い潜って逃走する神楽を追い詰めた浅間は、神楽の中に、もう1つの人格“リュウ”が存在していることに気付く。

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多重人格者であることを自覚していない神楽龍平とリュウ。永遠に出会うことのない2人にどんな秘密が隠されているのか?特解研の同僚、白鳥里沙(杏)のサポートを得て逃走を続ける神楽は、事件の裏に何かが存在していることを知る。

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神楽は白か黒か?真相は何なのか?全ての鍵を握るのは“プラチナデータ”。信じられるのは科学か、自分自身か……?

結末

犯人は、神楽たちの主治医である水上洋次郎だった。
 水上は、電脳デバイスで人間の精神を操る、という研究に取り憑かれていた。そこで、通常の電脳トリップよりも強い電圧のデバイスを開発した。それを用いて、人体実験を繰り返していたが、その電圧に耐え切れず、その実験台にされた人々は亡くなってしまった。
 何人も同様の状態で死亡していると、自身の関与が疑われると思った水上は、電圧を上げてさらにトリップ感を得られるデバイスを闇で流通させ、カモフラージュしていた。
 水上の精液が『NF13』という結果になったのは、DNA検索システムの中で、いわゆる『プラチナデータ』に登録されていたからだ。プラチナデータとは、社会的地位、特権階級にいる人々のDNAデータにあたり、彼らのDNAが検出されても、結果は『Not Found』と表示されるようになっていた。こうしたプラチナデータがあったため、政治家たちはDNA登録の推進を後押ししていたのだった。
 蓼科兄妹たちは、志賀所長たちが秘密裏にシステムに紛れ込ませた『プラチナデータ』の意味に気づき、その不正利用を防ぐため、『モーグル』という、真の結果を常に表示できるシステムを作成した。ところが、それは水上が犯人であることを明らかにしてしまうものだった。
 そのことを知った水上により、蓼科兄妹は殺害されてしまったのだった。

 神楽・浅間の協力により、事件は解決したが、プラチナデータの存在は闇に葬られた。
 神楽はDNAの管理社会に嫌気が差し、辺鄙な田舎暮らしで陶芸家への道を進み、浅間はプラチナデータの秘密を口外しないことを条件に、刑事を続けることになった。

 

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