真実はみえるか 「太陽の牙ダグラム」 あらすじと結末




概要

高橋良輔のロボットアニメ初監督作品。同時期、若者の間で好評を博した『機動戦士ガンダム』や『伝説巨神イデオン』を意識し、子どもたちだけでなく、その父親層までも視聴者に取り込むことを目的とし、単なる勧善懲悪ではなく実際にあり得るのと同じ独立戦争をテーマとし、その発端から終結までを描く。「ガンダム」と異なり、本作の主人公は分離主義側である。登場人物たちはそれぞれの政治的使命や信念に基づいて行動し、単純な悪役が存在しないリアルなストーリーを追求している。そのため、少年向けアニメには珍しく複雑な社会構造を背景とした重厚な政治ドラマや戦略的駆け引きが展開される。また、喫煙シーンが多かったのも特徴的である。

第1話の冒頭に朽ち果てたダグラムを登場させるショッキングな演出があり、映画版のポスターやチラシも砂漠に放置されたダグラムの残骸のイラストが用いられた。この演出は戦場まんがシリーズ「鉄の竜騎兵」から着想を得ており、高橋は後にOVA「ザ・コクピット」制作のオファーがあった際、即座に同話の監督を希望したことを同作DVDの映像特典インタビューで語っている。

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「太陽の牙ダグラム」OP

さらばやさしき日々よ

あらすじ

デロイア星では地球に対する不満が高まり、独立運動が勢いを増していた。ある日、デロイア星の首都、カーディナル市で、地球連邦評議会議長のドナン・カシムら評議会の議員たちを、地球連邦軍第8軍大佐、フォン・シュタイン率いる部隊が監禁し、デロイアの独立を宣言するという事件が起こる。事件の報道を聞いたドナンの息子・クリン・カシムは地球連邦軍の救出部隊に志願し、人質の解放に尽力した。

しかし救出されたドナンは、フォン・シュタインを免罪し、デロイアを地球連邦の8番目の自治州に昇格させ、フォン・シュタインをその代表に任命した。一方、ドナンは事件の首謀者として、デロイア独立を支持した代議員を投獄し、フォン・シュタインに呼応して立ち上がった独立運動家たちを徹底的に弾圧する。すべては地球百億の民のためにあえてデロイアの民を泣かせる覚悟を決めたドナンが、デロイア独立運動の「ガス抜き」のため、フォン・シュタインと共に仕組んだ狂言に過ぎなかった。

事件の真相をジャーナリストのディック・ラルターフから聞かされたクリンは苦悩するが、ひょんなことからデロイアの完全独立を求める指導者デビッド・サマリン博士と出会う。サマリンはクリンをドナンの息子と知りながらあたたかく迎え、独立派が開発した最新鋭コンバット・アーマーダグラムのパイロットとして仲間に紹介する。だがクリンがサマリンと出会ったことで、サマリンの居場所が地球連邦軍に割れてしまい、サマリンとダグラムは地球連邦軍に奪われてしまう。

責任を感じたクリンは単身、地球連邦軍の基地に乗り込みダグラムを奪回、デロイア独立運動に身を投じることを決意する。地球時代の友人、ロッキー・アンドルらのグループ(後の太陽の牙)に合流したクリンは、ダグラムによって次々と地球連邦軍を蹴散らしていく。サマリンも独立派ゲリラの尽力によって救出され、デロイア独立の気運は、ドナンの思惑とは裏腹にますます高まっていく。

そのころ、野心はあれども理想はないドナンの補佐官、ヘルムート・J・ラコックは、病を抱えたドナンとフォン・シュタインを排し、自らがデロイアの支配者となるための私欲にまみれた策謀を密かに進めていた。

そして敵味方の人間模様が錯綜する中、クリンはついに病に倒れたドナンと最後の別れを告げ、地球連邦軍との決戦へとむかう。

ラスト

北極ポートを巡る最終決戦中に、ヘシ・カルメルとラコックがデロイアの独立協定に調印してしまい、中途半端な形でデロイアの独立が認められてしまいます。
それに納得できない太陽の牙のメンバーは、幽閉されていたサマリン博士を連れ出し、カルメルの立てた独立政権に対し、ダグラムを中心として反旗を翻します。
それに対抗する地球から派遣されている、デロイア駐留部隊との戦闘が開始されます。
形としては独立したデロイアなので、太陽の牙の行動は明らかにテロ行為であり、太陽の牙の行く末を案じたサマリン博士は彼らとはなれ、カルメルのところに出向き、デロイア星治安維持軍の出動を要請。
しかし、サマリン博士は途中流れ弾に当たっており、致命傷をおってました。
命を駆けた博士の説得と独立政府代表というプライドから、カルメルは治安維持軍の出動を要請します。
このあと、カルメルはラコックとのサシの会談に挑む決意を固めます。
一方サマリン博士は最後の力を振り絞り、太陽の牙のところに戻ります。
すでに要請を受けた治安維持軍の出動により、デロイア星駐留軍は一時休戦状態。
治安維持軍を間に挟んで太陽の牙とにらみ合いです。
カルメルの維持軍出動要請に腹を立てたラコックは、カルメルと話し合うために彼の元を訪れますが、会う直前にデスタンに言ったとある一言のせいで、彼の逆上を誘い射殺されます。
これによりデロイア星での地球関連組織は運用ができなくなり、駐留軍も撤退します。
その頃、サマリンは太陽の牙のメンバーに戦い以外の道を説き、彼らを正しき道へ導く説得をしていました。
太陽の牙もみんな博士の説得に動かされ、武装解除をする決意を固めます。
それを確認した博士は静かに息を引き取ります。

クリンは最後にダグラムを砂漠のど真ん中で燃やして、彼らの戦いはこれで終わります。

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鉄の腕は萎え、鉄の脚は力を失い
埋もれた砲は二度と火を吹くことはない。狼も死んだ、獅子も死んだ…。
だが砂漠の太陽にさらされながら巨人は確信していた、
若者は今日も生き、若者は今日も走っていると。

(太陽の牙の声)

巨人は若者の声を聞いた。
吹きわたる砂漠の風の中に 確かに 聞いた。