解説
「インナー・スペース」のデニス・クエイドと、「シン・レッド・ライン」のジム・カヴィーゼルが、時を隔てて協力し合う親子を演じるファンタジーサスペンス・ヒューマンドラマ。脚本は「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」のトビー・エメリッヒ。監督は「真実の行方」のグレゴリー・ホブリット。
あらすじ
1969年、太陽フレアの活発化(太陽嵐)の影響により、ニューヨークでオーロラが観測されていた。
深夜、ニューヨーク市の消防士フランク・サリバン(デニス・クエイド)は地下変電所で起きた火災で中に閉じ込められた作業員を救出するために出動した。炎と煙に巻かれた地下変電所から作業員をあわや大爆発のところで辛くも救助に成功し、自分の仕事に満足して翌朝自宅に戻った。
自宅では看護師で妻のジュリア・サリバン(エリザベス・ミッチェル)と、いつも“チビ隊長”と呼んでいる息子のジョン・サリバン(ダニエル・ヘンソン)が帰りを待っていた。
フランクはラジオから流れてくる音楽に合わせてジュリアと台所で踊り、その様子をジョンは親友のゴードン・ハーシュと幸せそうに眺めていた。だがその2日後、父は倉庫火災で殉職した。
息子ジョンは深い哀しみに暮れる。それから30年。再びニューヨークにオーロラが出現した日、ジョンはふと父が愛用していた無線機を見つける。そしてそこから男の声が聞こえてくる……。まるでそれは父と話しているようだった。
結末
オーロラの輝く夜、ある男との交信に成功したジョンは、無線機の向こうで男が自分の子供に「リトル・チーフ」と呼びかけるのを聞き、愕然とする。不思議に思っていると、無線機の向こうで男は「こっちだ、チビ隊長」と呼びかけた。
ジョンが無線機で交信した男は、なんと30年前に死んだ父フランクだったのである。
くしくもその日は消防士の父が救助中に事故死する、まさにその前日であった。ジョンは必死にフランクに別の脱出ルートを使えば助かることを伝える。
翌日、無線機の前で祈るジョンの目に信じられない光景が映った。ジョンが無線機の置いてある机を見るとそこには「俺は生きているぞ チビ隊長」の文字が焼き付けられ、ジョンは慌てて無線機で30年前の父に呼び掛けた。
ジョンの脳には殉職した父と肺癌で亡くなった父の両方の記憶が刻み込まれており、ジョンは父に今すぐ煙草を止めるように忠告し、父はジョンにこの30年間の事を聞いた。無線機の向こうにいる過去の自分とゴードンに話しかけ、ゴードンには大人になったらYahoo!の株を買え、と伝えた。
それは未来が変わった瞬間だった。
だが、このことによって全く予想もしなかった大事件が発生してしまうのであった…。
無線が切れてから眠りに入ると、何故か不吉な、誰かの葬儀に父と一緒に参列している夢を見た。ジョンは目覚めて不安に襲われ、離れて暮らす母親に電話を掛けたが、いつもと同じ番号に掛けたのにその番号は行った事も無いバーに繋がった。
翌日、30年前に発生した看護師ばかりが殺害された「ナイチンゲール連続殺人事件」の被害者と思われる新しい遺体が発見され、そこで同僚の刑事にある言葉を発せられ、ジョンが警察署で被害者ファイルを開くとそこには母のファイルが入っていた。本来ならば死ぬはずの父を救った事でタイムパラドックスが発生し、今度は母が「ナイチンゲール連続殺人事件」の被害者になってしまったのだ。
ジョンは無線で父と相談し、親子の連係プレーで母を、ひいては他の犠牲者を連続殺人鬼の魔の手から救おうと奮闘を始める。
事件の捜査を開始した父の協力により、ジョンは犯人が現職刑事である事を知る。しかし、犯人の罠で父が逮捕されてしまい、徐々に母の死が近付いていた。ある事により疑いが晴れた父は犯人を追い詰めるが逃げられてしまう。
その後、母を殺す為に家に侵入した犯人と対決、現在でもジョンが犯人と対峙する。犯人との交戦の中で無線機によって過去の出来事が聞こえてきて困惑する犯人、徐々にジョンの部屋が変質し、犯人が過去に受けた傷も現れ始める、突然、犯人が射殺され倒れる、射殺したのはジョンの助言通り煙草を止め、生き延びた父であった。。