解説
ロボットアニメの一大ブームを巻きおこした「機動戦士ガンダム」の設定を一新、新たなエピソードで描く劇場オリジナル作品。総監督、原作、脚本に富野喜幸(現:富野由悠季)、キャラクターデザインに安彦良和ほか、TV版の第一期シリーズのスタッフが再集結した。
劇場予告
あらすじ
宇宙世紀0123年。月の周辺に新設されたフロンティア・サイドのコロニー、フロンティアIV。その内部にあるフロンティア学園では学園祭が開催され、いつもと変わらぬ平和な一日が過ぎようとしていた。
そんな中、フロンティアIVに近づくMS部隊の姿があった。彼らの名は、クロスボーン・バンガード。庶民のための真の貴族による支配主義「コスモ貴族主義」を標榜するマイッツアー・ロナが創設した武装集団に所属するMSだった。
クロスボーン・バンガードのMSはフロンティアIV内部に潜入し、迎撃する連邦軍MSとの戦闘によって、平和なコロニーは一転して戦場と化していく。
戦火の中、フロンティア学園の生徒であるシーブック・アノーは、
幼なじみのセシリー・フェアチャイルド
ら学園の仲間と共に、シェルターへ避難しようとしていた。しかし、死地を乗り越え、ようやく宇宙港に辿り着いたシーブックたちの前に現れたのは、クロスボーン・バンガードのMSだった。彼らの目的は、ロナ家の血を引くセシリーを連れ帰ることにあったのだ。迎えに来た兄と共に友人たちのもとを去るセシリー。その後、脱出したシーブックたちはスペースボートでフロンティアⅠに辿り着いていた。
フロンティアⅠでクロスボーン・バンガードの追撃を逃れた練習艦スペース・アークに助けられたシーブックは、そこで母親が開発していた新型MSF91ガンダムと出会う。
しかし追撃の手はついにスペース・アークにも及び、シーブックはF91で出撃。初戦闘ながらクロスボーン・バンガードのMS部隊を退けるのだった。
その頃セシリーは、ロナ家の女として生きることを心に決め、フロンティアIVで行われるコスモ・バビロニアの建国式典に参加しようとしていた。建国式典の前夜、コロニーに戻り、セシリーと再会するシーブック。しかし、彼女の決心を覆すことはできず、再び離ればなれとなってしまう。
そして、再び始まるクロスボーン・バンガードによるフロンティアⅠへの侵攻。そこで、敵と味方という立場になってしまった二人は、それぞれがMSパイロットとして戦場で再会する。しかしその進行作戦の裏ではセシリーの父である鉄仮面の巨大な陰謀が進行していた。
離ればなれとなったシーブックとセシリーは、再び通じ合うことができるのか? そして、鉄仮面が企てる陰謀の正体とは……?
結末
シーブックはセシリーを連邦軍に投降するよう説得し、連邦軍練習艦スペースアークに戻った。
そこでスペースアークの乗員から様々な話を聞いたセシリーはクロスボーン・バンガードに疑問をもつようになっていた。セシリーの投降で、この戦争は終結するかに見えたが、彼女の祖父マイッツアーを除くカロッゾ一派は、人間だけを殺傷する兵器による地球と月への攻撃を実行しようとしていた。
そして、それを知ったシーブックは、セシリーらと共に、この策略をくい止めるのだった。