命を追った、あの夏。「クライマーズ・ハイ」 あらすじと結末




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解説

当時、地元紙記者として御巣鷹山日航機墜落事故を取材した作家・横山秀夫が、自らの体験を基に“世界最大の航空機事故”を最前線で扱うことになった地方新聞社が異常な昂奮状態に置かれ、社内外で壮絶な軋轢と葛藤を繰り広げていく狂騒の一週間を極限の臨場感で描き出した傑作群像小説を映画化。遊軍記者でありながら事故取材の全権デスクを命じられた主人公を中心に、未曾有の大惨事をめぐる様々な人間模様を緊迫感と情感あふれるタッチで描く。主演は「ALWAYS 三丁目の夕日」の堤真一。監督は「突入せよ!「あさま山荘」事件」の原田眞人。

あらすじ

1985年8月12日、乗員乗客524名を乗せた日航機123便が、群馬と長野の県境に墜落、その一報が北関東新聞社に入る。
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編集部で全権デスクに任命された悠木和雅(堤真一)は記者として扱う一大ニュースに対する興奮を禁じえないが、中央紙とのスクープ合戦や組織や家族との衝突を経て、命の重さに対しわき上がる使命感を覚える。
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結末



編集局の戦争が始まった。県警キャップの佐山(堺雅人)らは現地へと飛ぶ。
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しかし、白河がすべての権限を握る社内には複雑な人間関係が渦巻き、編集局と販売局の対立もあって、佐山の現場レポートは握りつぶされてしまった。熱くなった悠木は、この状況が登山における「クライマーズ・ハイ」に近いとを感じる。興奮状態が極限まで達した時こそが、最もミスを犯しやすいのだ。そして、それを悠木に諭してくれた登山仲間であり親友の安西(高嶋政宏)がクモ膜下出血で倒れた。
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一方、編集局部長である等々力(遠藤憲一)と悠木の対立も、日に日に深まっていく。
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「北関東新聞」の社員には、誰もが地方新聞社ならではのコンプレックスがあり、かつてはチームを組んでいた等々力と悠木の人間関係も捩じれてしまったのだ。女性記者の玉置(尾野真千子)は、墜落の原因に関するスクープのネタを得る。
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そんな玉置に佐山をつけて、確実なウラを取るよう悠木は命じた。しかし、完璧なウラは取れなかった。チェック、ダブルチェック。自身がクライマーズ・ハイに陥っていることを自覚している悠木は、その掲載を見送る。
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翌日、別の新聞がその特ダネを抜いた。退社を決意した悠木は、白河の罵声を浴びながら社を去る。

それから、22年。安西の息子である燐太郎(小澤征悦)とクライミングに挑んだ悠木は、そこで離別した息子の話を聞く。
若き日の悠木は、家族を犠牲にしてまで記者の仕事にのめり込んでいたのだ。悠木は、息子が暮らすニュージーランドを訪れる。そこには、成長した息子の姿があった。