深く愛すること。強く生きること。「ノルウェイの森」 あらすじと結末




概要

1987年に刊行されベストセラーとなった村上春樹の代表作「ノルウェイの森」を、『青いパパイヤの香り』『夏至』などのトラン・アン・ユン監督が映画化。亡くなった親友の恋人との関係を通し、主人公の青年の愛と性、生と死を叙情的につづる。主人公には松山ケンイチ、大切な人の死をきっかけに主人公と心を通わせていく女子大生に菊地凛子がふんし、複雑な人間性を繊細に演じる。トラン・アン・ユン監督のみずみずしい世界観と、深遠な村上春樹ワールドの融合に期待。

予告編

あらすじ

37歳のワタナベトオルは、ドイツ行きの機内でビートルズの「ノルウェイの森」を聴き、18年前の青春を思い出す。当時ワタナベは、親友キズキの恋人・直子に恋をしていたが、ある日突然、キズキは自殺してしまった。キズキを失った喪失感から逃れるように東京の大学に進学したワタナベは、ある日東京で直子に再会するが……。
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結末

キズキはワタナベにとって唯一の友人だったので、高校時代にはワタナベと直子も一緒によく遊んでいたのだった。
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それからワタナベと直子はお互いに大切なものを喪った者同士付き合いを深めていき、ワタナベは透き通った目を持つ直子に魅かれていく。
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そして直子の二十歳の誕生日、二人は夜を共にする。だが、ワタナベの想いが深まれば深まるほど、直子の方の喪失感はより深く大きなものになっていき、結局、直子は京都の療養所に入院することになる。そんな折、ワタナベは大学で、春を迎えて世界に飛び出したばかりの小動物のように瑞々しい女の子・緑(水原希子)と出会う。
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直子とは会いたくても会えないワタナベは、直子とは対照的な緑と会うようになり、あるとき緑の自宅での食事に招かれて唇を重ねる。それはやさしく穏やかで、何処へいくあてもない口づけだった。
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機を同じくして、直子から手紙が届き、ワタナベは直子に会いにいけることになる。そこでワタナベは直子の部屋の同居人・レイコ(霧島れいか)のギターによるビートルズの「ノルウェイの森」を聴く。それは、直子が大好きな曲であった。「この曲を聴くと深い森の中で迷っているような気分になるの。どうしてだかわからないけど。一人ぼっちで、寒くて、暗くて、誰も助けに来てくれなくて……。でも、本当にいちばん好きな曲なのよ」「ノルウェイの森」を聴くといつも泣いてしまう直子は、ワタナベがいれば大丈夫と言っていたのだが、それでも結局直子は泣いてしまうのだった……。
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病状が悪化し、大阪の病院で治療を受けていた直子は、一時退院して「阿美寮」に戻った。
ところが、その夜、林の中で首をつって自殺してしまう。
レイコさんから直子の自殺を知らされたワタナベは絶望のあまり、1ヶ月の放浪の旅に出たのだった。


東京に戻ったワタナベをレイコさんが訪ねてきた。
友人を頼って旭川へ行くというレイコさんとワタナベとはその夜結ばれた。
レイコさんは「直子の死に対して何らかの痛みを持つというのなら、あなたは生涯を通してそれを持ち続けなさい。でもそれとは別に緑さんと二人で幸せになりなさい」とワタナベに告げた。
翌日、レイコさんを見送った僕は緑に電話をする―――

電話で会話するワタナヘ゛と緑。

緑がワタナヘ゛に「今どこ?」と聞く。

ワタナヘ゛は「さぁ…どこだろう」と答える