人間が一番怖い。「ファニーゲーム」 あらすじと結末




解説

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カンヌ映画祭出品時、その凄惨さからヴィム・ヴェンダース監督や批評家、観客がショックのあまり席を立ったと言われる。ロンドンではビデオの発禁運動まで起こった。
ハネケ監督の『ピアニスト』がメロドラマのパロディに対し、本作はハリウッド製スリラー映画のパロディと言われている。
作品の特徴は、暴力的なシーンが意図的に映されないことや、犯人が映画を鑑賞している観客に時折サインを見せたり、神の視点で語りかけてくるメタ演出など。メインの音楽はジョン・ゾーンの「Bonehead」と「Hellraiser」だけである。

日本版予告

あらすじ

穏やかな夏の午後。バカンスのため湖のほとりの別荘へと向かうショーバー一家。車に乗っているのはゲオルグと妻アナ、息子のショルシ、それに愛犬のロルフィー。別荘に着いた一家は明日のボート・セーリングの準備を始める。
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そこへペーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。ペーター、パウルと名乗るその青年たちは、白いシャツと白いズボン、白い手袋を身に着けていた。彼は、卵を分けてくれないかと申し出る。はじめ礼儀正しい態度を見せていたペーターだったが、もう一人パウルが姿を現す頃にはその態度は豹変し横柄で不愉快なものとなっていた。
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結末

アンナは、ペーターの願いを受け入れ、卵を渡すが、男は2度も落として割ってしまう。また、台所に入ったペーターは、アナの携帯電話を水の中に落とすなど、苛つかせる。
3度目の訪問時、ゲオルクに「帰ってくれ」と言われ、平手打ちを食わされるとペーターは態度を豹変。近くにあったゴルフクラブでゲオルクの脚を殴りつけ、一家全員をソファーに縛り付ける。
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2人は悪びれた態度を微塵も見せず、くつろぐように家を占領し続けた。夜になると、2人は一家にある提案をする。「明日の朝まで君たちが生きていられるか賭けをしないか?」と。
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息子ショルシは逃げ出す機会を得たが、途中で2人組に捕まり、連れ戻されてしまう。逃げ出した罰として、息子は射殺されてしまう。
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水に濡れた携帯電話が復旧しかけるも、結局、通話できない。また、犯人たちが外に出た隙にアナが外に助けを求めに行くも、捕まってしまい、暴行を受ける。
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「ナイフで殺害されたいか?それとも銃か?」と問いかけるペーターたち。その隙をついて、アナは銃を奪い、ペーターを射殺する。だが、もう一人のパウルがリモコンで巻き戻すと、銃が奪いとられたことはなかったことになってしまった。
ゲオルグが射殺され、アナはペーターたちとともにヨットに乗ることになる。
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ゲーム終了まで残り少ない時間となったとき、アナは湖へ蹴り落とされ溺死する。その後、別の家を訪れたペーターたちは、ショーバー一家と同様に、「卵分けて下さい」と言うのだった。
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